何でだか理由はよく分からないけれど、私は昔から海がとても好きだ。海が好きすぎて、娘の名前にもmarinaという海をモチーフにした名前を付けた。そのくらい海は私の心の中心にある。
仕事帰りに海に足をつけてグラウディング。いや、禊ぎかな?邪念と煩悩しかない私の心を、全て海は流してくれるようで、いつもお世話になっていますという感じ。

焙煎と広報と、まだあと1つ
なにか自分を成長させる仕事を、新しい何かをやってみたいなぁと探していた第3の仕事。それがね、探して探してやっと決まったんですよ、海のそばのお仕事。
海辺の割烹旅館の厨房で、日本料理の基礎から少しずつ学ばせていただいています。毎朝、天麩羅用の大根おろしを作るところから始まって、茶碗蒸し用の三つ葉を摘んだり、茶地の卵を割ったり。

1番頑張っているのは、鯛を生簀からあげる作業。
今日で10日くらい経った。はじめの2日は鯛に逃げられてばかりで、もはや『お前新人だろ?!』と言われているかのような逃げられっぷりで、1匹も捕まえられず、優しい兄さんが代わりに鯛を捕まえてくれた。


完全に気配を消して鯛を捕まえる
1番気をつけていることは、自分自身が生簀の中に落ちない事だよ…。生簀大きいので、本当に毎日毎日落ちそう。二日間翻弄された3日目、その瞬間は訪れた。
え…きっかけ?なんで急に捕まえられるようになったの?って それはね…透明な世界に入れたからだよ。
今回の鬼滅の刃の映画を観た人にはきっと分かるだろう。猗窩座と闘う炭治郎が、完全に闘気を消して【透明な世界】なるものに入って猗窩座に近づいただろう?
まさにあれだよ。二日間は完全に殺意がダダ漏れでいたに違いない。だがしかしどうだ?
3日目いきなり、8匹の鯛を引き上げに成功。4日目には、鯛を12匹と巨大シマアジ2匹をすくうことに成功!!!もりわき兄さんからめちゃくちゃ褒めてもらった!!
鯛の血抜き。エラの中の古い血をきれいに洗い流したり、とにかくお魚さんと戯れる。

朝日を浴びながら、お醤油と出汁の香りに包まれる
まだお料理自体はしていないが、下準備はたくさん教えてもらえる。ジュンサイのお吸い物に入る甘鯛のお団子。今日で800個作った。この前は難しかったけれど、今日はきれいな丸に出来たとおもう。
『これは和食の基本の基だよ』と、森脇兄さんが教えてくれた。教えてもらった仕込みをとにかく覚えて、忙しい大将や兄さんのお役に立ちたすぎる。
集中していると、心は無心に。何も考えず、ひたすら檜葉の枝を切ったり、お造りの土台を準備したり。天ぷらの盛り付けをしたり、茶碗蒸しの茶地を注いだり。一日があっという間に過ぎていく。
ずっとお出汁や、あら炊きのいい匂いを吸い込みながら、日本人でよかったぁ〜とか言いたくなる。

やれるかじゃない、やってみる
いまはひたすら基礎と仕込みを覚える毎日。
だけど、魚に触れる手の温度や、包丁の入り方、食材の扱い方ひとつで味が変わるのを、目の前で見ていて、毎日が発見。
自分が少しずつ出来ることが増えていくのが嬉しい。やっぱり私は食べ物を作るのが好きな、食いしんぼうなんだと思う。
知らないこと。新しい世界。
とにかく飛び込む。毎日が新鮮!

出来るようになると、毎日少しずつハードルを上げてくれる。教えるって、本当に大変ということを私は知っている。だから教えてくれる兄さんたちに本当に感謝だし、かっこいい背中を追いかけたい!
お魚の捌き方もそのうち教えてもらえるようだ。
私が鯛のお造りを作れるようになったら、すごい。絶対きれいに造れるようになりたい!
マイ出刃を買わないとね。
以上、ここ10日間の嵐のような近況報告でした。
焙煎もしなくちゃね
