
19歳の息子は調理師専門学校の1年生
心にいつでもコーヒーベルト!祭長です!
私の店のinstagramでは、度々彼の作る創作料理の数々を紹介してきたのだが、そんな彼はこの春本当に中村調理師専門学校に入学したのである。
私が珈琲まつりの経営をやっている頃には確か、すでに将来の夢は「フレンチのシェフ」と言っていたが、ここに来てその夢は何とも現実味を帯びてきた。

今更だけど、どうして料理の道を歩むと決めたのか
ベシャメルソースはフランス料理で使う基本のホワイトソースだそう。
オムレツと共に次の試験課題になっているという事で、何度も繰り返し作っているそうだった。
そんな必死な息子に「ねえ、料理人になりたいと思ったのはまさか、母ちゃんがまつりのお店をやっていたから、憧れて・・・っていうわけじゃあないよね」と聞いてみた。
すると、彼は「うん。違うよ。」といった。
なぁんだ、やっぱりね。
「じゃあなんで?何のきっかけでそう思うようになったと?」と、もう一度聞いてみました。
すると、「小学校の3年生くらいからかなぁ〜。母ちゃんとここでご飯を作るようになって、野菜切ったり そこから料理楽しい!って思いはじめたのがきっかけと思うよ。」と、話してくれた。
えええまさか。
まさかまさか。餃子とか作ってたあれか?
繰り返される実技試験。冷蔵庫はコマ切れ野菜で溢れる
調理師専門学校生の朝は早い。なんと自主練ということで、毎朝5時起きをしている。1時間以上かかる道のりを経て、ホームルームが始まるまでの間みんなそれぞれの課題を練習しているそう。
そして当たり前ながら練習が終わると、徹底的に調理場を綺麗に拭き上げる。
初めは、胡瓜から始まり玉ねぎや大根の桂むきにまで発展。
ちょっとどうしたんだ、というくらいに我が家の冷蔵庫の中には、切り刻まれた大量の野菜たちが溜まっていった。
もちろん無駄になることは一切なく、私や母がその野菜達を元に夕飯の献立を考えた。
野菜切らなくて良かったから、むしろラッキー。
時には青魚、玉子を2パック電車に持ち込む青年
うら若き19歳の青年が、練習で使うイワシやアジと共に電車に揺られる。
何ともシュール、卵なんてまだ可愛いもんだと思う私。人って本当にやりたい事のためなら、死ぬ気で頑張れるものなんだなぁ〜と思う。
ちなみに今の試験課題はオムレツとベシャメルソース。帰宅と共に大量のオムレツが、我が家の冷蔵庫に入れられるのが日常的である。

容器の中にぎゅうぎゅうに詰めらてきたので、形は潰れているけれど味は一流!
今私に出来ることはただ一つ
調理師の専門学校では当然ながら、毎日何かしら調理しているので昼食には困らないそうで。
時々座学ばかりの日には調理がないらしく、そんな時は2年生の先輩達が切り盛りする実習レストランで、チキン南蛮定食などを200円で食べれるのだそう。羨ましい!!
さて、そんな料理の道を歩むと決めた息子に私がしてやれることは何か。
それは、息子が作る物をちゃんと味わって「美味しい!!」と言葉で伝えてあげることかな〜って思っている。
もはやめきめきと料理の腕を上げてゆく息子に、私は足元にも及ばない。もう出来ない…味見係しかムリ…。
私は、デザートのお店をふわふわ経営しただけだし、料理人の世界にまでは足を踏み入れてはいない。
でも仕事柄、ミシュランの星付きのお店の撮影をさせてもらったり割と「料理人」さんと共に過ごさせていただき「料理を仕事にする覚悟を決めた人達」の背中を見てきた経験がある。
過酷なことの方がもしかしたら多いかもしれないこの料理の世界で、なぜそんなに頑張って腕を振るえるのか。どこに喜びを見出すのか。
理由はとてもシンプルで、目の前で食べてくれる人の「美味しい」「幸せ」という想いに触れることがモチベーションになるんじゃないかと思う。少なくとも、私は自分のお店でそう感じていたから。



学校はとても厳しく、自分の限界を見ながら日々成長している息子。家で練習する時も、必ず最後の片付けまで徹底する、身も心も料理人の入り口に立つ息子。
母ちゃんはこれからもジムに通って、生涯味見役をやれるように味覚も整えておくぞ。